「茶」とは何か?

「茶」には国際的な定義がある

お茶の話を始めるにあたって、まずは一番大事なことを確認しておきましょう。
それは、

「茶」とは何か?

という問題です。

 

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フーマオ

「茶」とは私の人生そのものです

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わかば

あ、そういうの要らないんで。

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あるきち

(結構、ハッキリしてるな・・・)割とあやふやだったり自己流で定義してる人も多いんですけど、ここが大事なんですよ

 

茶は、世界で広く貿易が行われ、大量に流通している国際商品です。
国によって、「茶」の定義が違ってしまうと貿易が出来なくなってしまいます。
そのため、国際標準化機構(International Standardized Organization・ISO)が、茶についての規格(いわゆるISO規格)を策定しています。

2020年3月時点では、「紅茶」と「緑茶」についての国際規格が出来ています。
※「白茶」「抹茶」「烏龍茶」などの規格も策定中。

チャノキという植物から作られるものが「茶」

この国際規格に書かれている内容については、おいおい紹介していきますが、緑茶・紅茶のいずれでも共通して語られているのは、

「茶」とは、カメリア・シネンシスの芽葉を原料として作られ、人々の飲用に供される商品

ということです。

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わかば

カメリア・シネンシス?

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あるきち

いわゆる「チャノキ」という植物だね。その植物から作られたものだけが、狭い意味での「茶」ということ。

チャノキ以外のお茶は?

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わかば

えーっと、じゃあ、中国茶としては、よく名前を聞く苦丁茶とか杜仲茶は?

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あるきち

そうしたものは、別の植物から作られるから、狭い意味での「茶」ではないね。そうしたものは「代用茶」だったり、「茶外茶」と呼んで区別してるね。

ここで名前の挙がった、苦丁茶は苦みのあるいくつかの植物から作られたものを指します(用いられる植物は、モチノキ科の植物であったり、複数あります)。
杜仲茶は、その名の通りのトチュウの樹皮や葉っぱなどを用いて作ったお茶です。

これらは、チャノキとは別の植物なので、それぞれに含まれる成分が全く異なります。
そうした成分の違いに着目して、健康茶のような形で飲まれることが多いかと思います。

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あるきち

この手の代用茶は、数が沢山あって。身近なところでは麦茶とか蕎麦茶。ルイボスティーとかハーブティー。どくだみ茶やとうもろこしのひげ茶なんてのもあるね。煎じて、お湯に溶いて飲むものは、みんな「茶」と呼ぶけれども、その中身は大分違うね。

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わかば

そういう中で、チャノキに限った中国茶の魅力って何ですかね?

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あるきち

それは良い質問ですね!(池上さん風)。中国の場合、チャノキの中でも品種が沢山あること、作り方にバリエーションがあることなど、チャノキの可能性を引き出す工夫がハンパないところですかね。

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フーマオ

中国茶ハンパないって!

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かおり

それ、分かる人少ないと思う・・・

中国茶は健康茶?

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わかば

そういえば、中国茶は健康茶のイメージが何となく強いんですけど?

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あるきち

それはおそらく、日本に最初に紹介されたときのイメージが強いんだろうね。烏龍茶が広くデビューしたのは缶入り烏龍茶が出てきた1970年代ぐらいだけれども、その当時は日本は煎茶が圧倒的に優勢だったからね。その市場に割って入ろうとするには、効能を謳うしかなかったんだろうと思うよ。

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わかば

やっぱり、お茶の種類によって効能は大分違うものですか?

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あるきち

さっきも話した通り、代用茶であればそもそも植物が違うから、お茶の種類によって成分が全然違うよね。一方、チャノキのお茶であれば、そう大きくは変わらないはず・・・なんだけれども、お茶を”発酵”させることで、葉っぱの中に含まれる成分を変化させることができる。それで少しの違いは出るね。

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わかば

何となく中国というと、漢方のイメージがあるからか、身体に良い気はするんですよね。やっぱり効くんですか?

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あるきち

お茶は昔から飲み継がれてきたものだから、身体には良いとは思う。でも、やはり飲料であって薬じゃないんで。そんなに強力な効能は無いよね。もし、効能が強ければ副作用も大きくなるはずだし。効能が無いとは言い切れないけれども、むしろ香りとか味から来る癒し効果の方が大きいかな、と。

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わかば

そうですか・・・お茶を沢山飲めば健康になると思ってたんだけどなぁ。

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フーマオ

効くなら、あるきち君は、もっと痩せてるよね。

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あるきち

チッ!

お茶の健康効果については、さまざまな研究がなされています。
お茶に含まれる、茶ポリフェノール(有名なものはカテキンなど)には、抗酸化作用や抗ウイルス作用が認められたり、お茶に含まれるアミノ酸の一種であるテアニンという物質には、リラックス効果をもたらすなどの研究があります。
ただし、いずれも成分としては微量なので、それがお茶として飲んだときに人体に効果を及ぼせるかどうか、については、正直何とも言えない部分があります。

何に効くかと言うよりも、まずは味わいや香りという部分を期待する方が、良いのでは無いかと思います。
薬では無く、飲み物なので。

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かおり

香りと味わいのバリエーションが中国茶は特に豊富なのよね

続く。

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